双姫 Ⅰ


「さてと、話は終わったし。
これからは俺らがこの屋上を使わせてもらう。」


「何言ってんだよ!?」


「愁斗くん…だっけ?君、何様??
明らかに『双覇』より『神龍』のが格上だよ?

身の程をわきまえろよ。ガキが。」


「こっの…テメェこそまだガキだろうが!」


「自分の実力を計れない奴に言われたくないよ~?
なんなら僕と勝負する??

僕は紘みたいに優しく出来ないよ?」


「愁斗、止めろ。」


「止めんなよ…玲。」


「止めろっつてんだよ。勝てる相手じゃねえ!!」


悔しい。でも、認めるしかねぇ…。


この威圧感。佇まい。
いや、何もかもが敵わないんだ。


「じゃ、屋上は返して貰うよん♪
あー!やっと僕らの場所になったんだね!」


「長かったですね。」


「これで好き勝手出来んだな!
授業もサボれるぜ!!!」


「慧は出なさいよ。一番危ないんだから。」


「そうだな。慧は出た方が良い。

つーか、
お前らまでバラさなくても良かっただろ。」


「「「「この格好飽き(まし)た!!!」」」」


「あ、成程ね??」


そんな会話を横に俺達『双覇』は
何も言えずそのまま屋上を出た。


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