双姫 Ⅰ
無事、類を女達から奪還した私は
早々に立ち去ろうとする。
そんな私を見て類が
「待って!」
私の腕を掴もうとした。
パンッ!!
「イッ!!」
『…俺に触るな。』
「ご、ごめん…そうだったね……。」
類の腕を振り払った。
でもそれより振り払った瞬間、
類が苦痛の表情をしたのが気になった。
今でも無理に笑おうとしているけど
苦笑いになっている。
嘘下手だな〜…。
『…腕、どうした。』
「え…な、なんでもないよ?」
それで隠したつもり?
バレバレなんだけど。
『嘘つくな。良いから見せろ!!』
そんな態度にイライラして
つい口調を荒らげると
ビクッ!
として渋々右腕を私に向けて突き出した。