双姫 Ⅰ
『…玲達は大丈夫なのか?』
ほら、いつもなら
こんな事言わないのに言葉が出てくる。
自分で内心驚きながら疑問をぶつける。
「あ、玲は大丈夫…。
でも…燐と李樹、愁斗は
多分同じように痣出来てると思う。」
『玲は見てただけなのか?』
「えっと…俺らが喧嘩売った時、
まだお兄さん変装してたから
簡単に倒せると思ったから…だと思う。」
ふーん…なるほどねぇ。
『燐達はどこ殴られてた?類と一緒のとこ??』
「ううん…確か鳩尾だった。」
おいおい紘にぃ…。ガチじゃないですか。
『ハァ……ん?なんで類は腕だったんだ?』
「それは…軌道ズラして避けたんだけど
もう一発は避けきれなくて腕に当たった…。」
紘にぃの攻撃を避けた?
『類が?』
「……?」
きょとんとする類は分かっていない。