ずっと見守る
涙✩3

変化と最後の幸せ?


 特別な変わりはなく、季節は変わって、変わって。

 もう高校3年の卒業間近。

 あれから2年。

 2年間。テスト期間以外は欠かさず来てくれた廉太。

 今日も来るかな。

 病室の外の廊下から、あの足音が聞こえる。

 歩き方でわかっちゃうもんね。

「廉太。おかえり」

「ただいま」

 いつもの挨拶に、いつもの距離感。

 ふたりとも18歳になった。

 あの夢。叶えられるかな。

 2月の下旬。

 3月1日は、卒業式らしい。

 あたしは単位を取れていないから、もう学校を辞めている。

 廉太は欠かさず来てくれている。

 もちろん、優ちゃんも来れるときいつも来てくれる。

 いつものように会話して。


「あ、廉太。4月に一旦、退院できるよ」

「そっか。よかった」

 変わらない笑顔。

 いつか見れなくなるんじゃないかって。

 この幸せが終わるんじゃないかって悲しくなる。

 でもね、退院したらカッコ悪いプロポーズしようと思うよ。

 だから、あと1ヶ月と少し。待ってて。
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