ずっと見守る
「嬉」と「悲」
「終わったぁ~っ」
午前の仕事を終えて、裏で思い切り手足を伸ばす。
このメイド服はいつになったら脱げるのだろうか。
「みぃちゃん。これ、クラスTシャツ!!みぃちゃんはもう仕事ないから、これ着て廉太と回ってきなよ!!」
優ちゃんは水色の背景に、みんなの名前が書かれたTシャツをあたしの手に乗せた。
優ちゃんの話によると、廉太くんは少し前に終わってて、クラスTシャツを着て廊下で待ってるらしい。
あたしも素早く着替えて、廊下にひょこっと顔を出した。
「美咲。おつかれ」
「・・・・・・わぁっ!?」
「なんだよ・・・・・・?」
いきなり頭の上から声が聞こえるんだもん、そりゃ驚くよ・・・・・・。
あたしよりもずっと背の高い廉太くんは、あたしを見下ろして笑っている。
「行くよ」
廉太くんはそう言って、ゆっくり歩き出した。
なんとなくだけど、あたしのペースに合わせてくれてるのかな・・・・・・?
「美咲。クレープ食べる?」
「うん!!食べたい!!」
廉太くんはクレープを売っているクラスに入って行った。
あ、あれ?あたしはどうすれば。
結局何もできずにぞの場に立ち尽くしていた。
しばらくすると廉太くんが戻ってきた。
「はい」
「ああ、お金っ!!」
「いいって」
あたしがイチゴ好きなのも覚えててくれたんだ。
ちょっとうれしいかも。このイチゴ甘い!
って、廉太くんはクレープ持ってないけど、食べないのかな?
「廉太くんは食べないの?」
「んー。美咲の少しちょうだい」
「え、うん。いいよ」
あたしがそう返事をすると、廉太くんはクレープをひとくち食べた。
「甘っ」
「そりゃそうだよー」
二人で大笑いした。
・・・・・・ん?今気づいたんだけど。
これって・・・・・・間接、キス・・・・・・!?
あ、あたし、無意識にすごいことしてない!?
「そこの男の子っ!!」
「・・・・・・はい?」
突然、廉太くんが先輩に話しかけられた。
女の先輩が二人。先輩・・・・・・かわいいな。
これじゃあ、何言われても廉太くんついて行くよ。
「うちらのクラス、告白大会してるんだけど、よかったら告白しない?」
えっ!?告白、大会!?
廉太くん、好きな人いるの!?
「・・・・・・ああ、はい・・・・・・」
・・・・・・えっ。
告白大会に出るの?好きな子に告白するの?
あたしの胸は嫉妬に狂って、バクバク暴れだす。
「じゃあこっちに来て!!体育館のステージ横で待機!!」
先輩たちは先に行くねと、体育館の方へ歩いて行った。
そんな・・・・・・。出るってことは好きな子がいるんだよね。
クラスの子かな?それとも先輩?
誰なのかさっぱりわからないよ・・・・・・。
「・・・・・・美咲?」
「えっ?あっ、何?」
「俺、先輩だったから断れなくて。行ってきて、いいかな・・・・・・?」
そう、だよね。先輩だから断れなかったんだよね。
でも、好きな人がいることに変わりはない。
「・・・・・・うん!あたし暇になっちゃうし、クラス戻って手伝いするね!頑張って!」
「えっ!!おい、美咲!!」
心臓がひどく暴れて、息もうまくできない。
今は、廉太くんにどんな顔して笑えばいいかわからない。
クラスまで全力疾走。
ホントは走っちゃいけないんだけど、人ごみを掻き分けてクラスに戻ってきた。
優ちゃんは、そろそろ終わりかな。
ゼェゼェと肩を上下させながら、教室の扉を開く。
調理していたクラスメイトが一斉にこっちを向く。
「みぃちゃん!?」
「どうしたんだ!なんで泣いてんだ?」
あたし・・・・・・泣いて・・・・・・?
クラスの男子に言われて、震える手で頬に触れた。
あたし、泣いてたの?走って走って気付かなかった。
「うあ・・・・・・っ!!」
走ったせいで・・・・・・っ!発作・・・・・・!
あまりの苦しさにその場にしゃがみこんだあたしを、みんな調理を放棄して囲んだ。
「みぃちゃん!?どうしたの!?」
「ゆ・・・・・・ちゃっ」
優ちゃんの名前を呼ぶことさえできない。
走って、来るんじゃなかった。
お母さんにバレたら怒られちゃうなあっ・・・・・・。
涙が溢れるほど、息が苦しくなる。
「みぃちゃんしっかり!!」
午前の仕事を終えて、裏で思い切り手足を伸ばす。
このメイド服はいつになったら脱げるのだろうか。
「みぃちゃん。これ、クラスTシャツ!!みぃちゃんはもう仕事ないから、これ着て廉太と回ってきなよ!!」
優ちゃんは水色の背景に、みんなの名前が書かれたTシャツをあたしの手に乗せた。
優ちゃんの話によると、廉太くんは少し前に終わってて、クラスTシャツを着て廊下で待ってるらしい。
あたしも素早く着替えて、廊下にひょこっと顔を出した。
「美咲。おつかれ」
「・・・・・・わぁっ!?」
「なんだよ・・・・・・?」
いきなり頭の上から声が聞こえるんだもん、そりゃ驚くよ・・・・・・。
あたしよりもずっと背の高い廉太くんは、あたしを見下ろして笑っている。
「行くよ」
廉太くんはそう言って、ゆっくり歩き出した。
なんとなくだけど、あたしのペースに合わせてくれてるのかな・・・・・・?
「美咲。クレープ食べる?」
「うん!!食べたい!!」
廉太くんはクレープを売っているクラスに入って行った。
あ、あれ?あたしはどうすれば。
結局何もできずにぞの場に立ち尽くしていた。
しばらくすると廉太くんが戻ってきた。
「はい」
「ああ、お金っ!!」
「いいって」
あたしがイチゴ好きなのも覚えててくれたんだ。
ちょっとうれしいかも。このイチゴ甘い!
って、廉太くんはクレープ持ってないけど、食べないのかな?
「廉太くんは食べないの?」
「んー。美咲の少しちょうだい」
「え、うん。いいよ」
あたしがそう返事をすると、廉太くんはクレープをひとくち食べた。
「甘っ」
「そりゃそうだよー」
二人で大笑いした。
・・・・・・ん?今気づいたんだけど。
これって・・・・・・間接、キス・・・・・・!?
あ、あたし、無意識にすごいことしてない!?
「そこの男の子っ!!」
「・・・・・・はい?」
突然、廉太くんが先輩に話しかけられた。
女の先輩が二人。先輩・・・・・・かわいいな。
これじゃあ、何言われても廉太くんついて行くよ。
「うちらのクラス、告白大会してるんだけど、よかったら告白しない?」
えっ!?告白、大会!?
廉太くん、好きな人いるの!?
「・・・・・・ああ、はい・・・・・・」
・・・・・・えっ。
告白大会に出るの?好きな子に告白するの?
あたしの胸は嫉妬に狂って、バクバク暴れだす。
「じゃあこっちに来て!!体育館のステージ横で待機!!」
先輩たちは先に行くねと、体育館の方へ歩いて行った。
そんな・・・・・・。出るってことは好きな子がいるんだよね。
クラスの子かな?それとも先輩?
誰なのかさっぱりわからないよ・・・・・・。
「・・・・・・美咲?」
「えっ?あっ、何?」
「俺、先輩だったから断れなくて。行ってきて、いいかな・・・・・・?」
そう、だよね。先輩だから断れなかったんだよね。
でも、好きな人がいることに変わりはない。
「・・・・・・うん!あたし暇になっちゃうし、クラス戻って手伝いするね!頑張って!」
「えっ!!おい、美咲!!」
心臓がひどく暴れて、息もうまくできない。
今は、廉太くんにどんな顔して笑えばいいかわからない。
クラスまで全力疾走。
ホントは走っちゃいけないんだけど、人ごみを掻き分けてクラスに戻ってきた。
優ちゃんは、そろそろ終わりかな。
ゼェゼェと肩を上下させながら、教室の扉を開く。
調理していたクラスメイトが一斉にこっちを向く。
「みぃちゃん!?」
「どうしたんだ!なんで泣いてんだ?」
あたし・・・・・・泣いて・・・・・・?
クラスの男子に言われて、震える手で頬に触れた。
あたし、泣いてたの?走って走って気付かなかった。
「うあ・・・・・・っ!!」
走ったせいで・・・・・・っ!発作・・・・・・!
あまりの苦しさにその場にしゃがみこんだあたしを、みんな調理を放棄して囲んだ。
「みぃちゃん!?どうしたの!?」
「ゆ・・・・・・ちゃっ」
優ちゃんの名前を呼ぶことさえできない。
走って、来るんじゃなかった。
お母さんにバレたら怒られちゃうなあっ・・・・・・。
涙が溢れるほど、息が苦しくなる。
「みぃちゃんしっかり!!」