魔王vs神王→私!?
ー放課後・保健室ー
運動部の掛け声や、吹奏楽部の楽器の音で学校が騒がしい、放課後
私は数学の問題集を広げながらも、所属する吹奏楽部のことについて考えていた
トランペット担当なのに、最近は全然練習に参加できていない
吹奏楽の華と言われるトランペットが、こんなことではいけない
いつか近いうちに、しっかり練習しないとなぁ
そんな考えを知らない天愛は、さっきまでしおれていたのに、早くも完全復活を果たしていた
「結莉~暇じゃん、遊びに行こうよお~」
だらーん、と身を机に投げ出した天愛が私にこれを言うのは、何回目かわからない
そして私は、毎回こう答えるのだ
『暇なほうがいいの。誰もケガしてないってことでしょ?』
そうだけどー、と天愛は反論する
放課後保健室にいるのは仕事だし
遊びに行きたくても仕事がない土日は部活だし
最終下校時刻を待っている間に、私は勉強しているし
『私は暇じゃないから。天愛も勉強したら?』
「勉強わからないもん。わからないのにやりたくない。」
わからないから勉強するんじゃないのかなあ?
『ちゃんと授業受けてるのに、なんで天愛って成績悪いのかなあ』
「先生の教え方でしょ。」
『えーでもさ、化学の先生の教え方は、』
いいと思うよ。
その言葉は、開けられたドアによって妨害されてしまった。