魔王vs神王→私!?



視界と共に、意識も霞んでいく






そんななか、なぜか奏くんの声だけははっきりと聞こえた






「絶対、絶対、ぜぇ~ったい、逃がしませんよ





ずっと、一緒ですからね」






視界が暗くなって、霞んでいく意識の中、頭を必死で働かせていた






感じるのは、奏くんへの恐怖








それと








今頃、職場で働いているであろう父への名残惜しさ








私が行方不明になろうとも、きっと父は焦りなんかしない







探しなんかしない







だって、私を愛していないんだから








でも、それでも私の唯一の肉親だから








親子愛なんてないけれど







私の努力は全部空回りの繰り返しだったけど









それでも、心の拠り所は、父だった





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