魔王vs神王→私!?
あからさまに動揺したコウくんは言う
おれのことなんて話すことはないと。
『奏くんが、すっごく苦しんでいたし、今も苦しんでいることはわかった
じゃあ、コウくんは?
コウくんは、小さいころどんなこと思っていて、今はどうなのか。』
どうなの?とコウくんの顔を覗き込むと、明らかに目をそらされた
その動作に、私は焦る
『っあ、教えてくれなくてもいいんだよ、もちろん。』
ごめんね、嫌なこと聞いちゃった?
そう問いかけるとコウくんは首を左右に振った
そしてどこかぼんやりとした表情で語りだした
「・・・・・結局、おれは一回も殴られたこと、ないんだ」
『・・・・・・・・そうなんだ』
「怖かった。親も、奏も。」