魔王vs神王→私!?
そこに立っていたのは、能面のように無表情の父
『お、おかえりなさい』
いつもながらに帰宅は唐突だ
驚きをひた隠し、精一杯笑って言った
「・・・ああ」
それでも父は表情のないまま
ここで悲しくなるのは、もう毎回の恒例だった
『あのね、さっきまで出掛けていたから食事の準備が出来ていないの
今から作るね。何がいい?』
カナシミを押し殺し、私はまた笑った
父は、何でもいい、と短く答え、自室へと行ってしまった
・・・今日は、食事を拒否されなかった
そのことに大きな喜びを覚えながら、私は疲れた体に鞭を打ち、手を洗いに洗面台へと急いだ