魔王vs神王→私!?
『その理由って、訊いていい事?』
父は、全てを一気に片付けたいと思うような人だ
いまこうやって話をしているということは
父は、それについても今、話してくれる
自信があった
「お前の顔を見るのが、辛いんだ」
・・・うん。確信はなかったけど、わかっていたよ。
そしてその理由だって、なんとなく察せる
『私が、似ているから?』
母と似た顔を持つ私は、きっと父にとって苦でしかない
案の定、父は頷いた
「成長するにつれて、お前はアイツの生き写しであるかのごとく似てきている
生まれた時からそっくりだとは思っていたが・・・
仕草や、表情まで似てくると、アイツへの感情を、お前にぶつけてしまいそうになる
父親としての義務もあるし、今までは何とか抑え込んでいたが・・・
もう、無理なんだ。
お前が学校を卒業したら、お互い個人の家を持とう
もちろん、学費や生活費は送る
だから・・・」
父は、そこで黙ってしまった
自分が言っている事への罪悪感なのか
それともただ単に言いにくいから察しろと言いたいのか
私個人としては、前者を切望する
『・・・うん。わかったよ』
私は最初から、父に対してyesしか言えない
命令されても、お願いされても、私は首を縦にしか振れない
悪い子だと思われたくないから
見直してほしいから
褒めてほしいから
愛して、ほしいから