魔王vs神王→私!?
・・・レンくん?
「ユーリ、たかいの、にがてなんですか?」
不思議に安心する、レンくんの笑顔
私は、シオンさまの首に回していた両手を解き、レンくんへと伸ばした
レンくんも笑って、手を伸ばし、私はレンくんの腕の中に収まる
・・・はずだった。
『・・・シオンさま?』
シオンさまが一歩分後ろに下がり、レンくんと距離をおいた
レンくんが一歩分進むと、シオンさまは一歩分下がる
それを、何回か繰り返していた
しかし、もうすぐ二桁になるというところで、強い風が吹いた
『きゃあっ!?!』
レンくんへ身を乗り出していた私は、バランスを崩しかけ、シオンさまに必死でしがみついた
風はすぐに止み、また攻防戦に戻るのかと思われた
少なくとも、私はそう思った
でも、二人は、微動だにせず、ただ私だけを見ていた
『・・・・・・???』
訳が分からずシオンさまとレンくんの顔を交互に見る
え、何この雰囲気・・・?
とりあえず私は、再度手を伸ばした
レンくんは、今度こそ私の手をしっかりとった
無事に私はレンくんの腕の中に、さっきと同じお姫様抱っこで収まることができた
やっぱり何故か安心するレンくんの腕の中
その心中を感じ取ったのか、レンくんはにっこりと笑った
「ユーリもいきましょうか、ぼくのしろへ
シオンもこちらへ」
シオンさまは自分の右掌を見ていた
何を思っているのか分からない、複雑な表情をしながら。