魔王vs神王→私!?



 ・・・・・・・・。







 は、はいいぃ?????




 
 あまりに、唐突。





 言葉を失っていると、シオン様はクエスチョンマークでいっぱいの顔でまた言った





 「だから・・・嫁に来いって」





 『いや、言葉そのものは理解できています!』





 ただ、よ、嫁に来いとか、そんな要素は一つもなかったし!!






 何故にその考えに行き着いたのかが知りたいだけで!




 しかし、当の魔王様は、いたって真面目な顔をしている





 わたわたとしている私とは、真逆の表情である





 酷い言葉で断って、断頭台に立たされるのも嫌






 でも、従って妻になるのも嫌ではないけど、繰り返して言うが永住するつもりはないから無理





 ということで、曖昧にしたいと思いまーす




 断らず、受け入れず・・・微妙なラインに立つことで、シオン様も私の心を読み取ってくれるはず!



 『あ、あの~、私たち、まだ出会ってから数時間ですよ?
 考えが、急ぎすぎではないでしょうか?』



 
 笑顔で言ったつもりだけど、きっと上手には笑えていない





 困ったような笑顔になっていると思う




 それでも、シオン様は諦めてくれていない様子





 さらに食い下がってきた




 「そんなことはない。俺は、ずっと前から、ユーリの事を知っていた」





 

 『え・・・・・・?』







 知って、いた・・・?






 『それって、どういう・・・』
 「とりあえず、ユーリは俺の妻になれ」





 被せるようにいわれて、私は必然的に黙らされた




 『妻、なんて・・・。
 私はレンくんとのゲームの途中なので、無理ですよ』






 問い詰めるべきか?






 一瞬、考えた





 でも、そうさせないだけの空気が、さっき遮られたときにあった






 「何も聞かないでくれ」
 『何も聞かない方がいい』





 きっと、同時に思った事だと思う





 シオン様は、思いついたように言った





 「レン、か。あ、そうだ。
 ユーリさっき、俺に抱えられて飛んでいるいるとき嫌がってたろ」

 



 『・・・?はい、高くて、足元が嫌に涼しくて、ぞっとしました』



 
 
 思い出すだけでも、怖い





 もう絶対空なんて飛ばないよ





 ・・・というか、それになにか問題でも???





 
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