魔王vs神王→私!?





 落とされた時に破って壊れてしまったガラスの中には、それなりの大きさの物もある








 
 ワインセラーの底に沈んでいるガラスを潜って拾った










 ・・・このガラスが、私を救ってくれる。








 鋭利な冷たい刃物が、今は優しいものに見えた









 奏くんの肌を切り裂き慣れた私の手は、自分の肌を切り裂く事も容易い









 ガラスの切れ味を確かめるために、私は、腕を切った











 足を切った、腹を切った、頬を切った











 『私は・・・自由に』









 そして、私は、そのガラスを振り上げて









 自らの喉を、かき切った





襲い来る、予想していたものを遥かに越える苦痛






そのうち体温も下がってきて、寒くて、痛くて、辛い






そんな、夢と同じ状況が出来上がった








ひたすらに、自由を願って。







私は、死んだ。









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