魔王vs神王→私!?
「だめです!!ちゅーしちゃだめ!」
ばたん、という扉が開く音と共に聞こえてきた、カナデくんと同じ声
舌足らずで今にも噛んでしまいそうで・・・心配になってしまう、天界に来た時最初に聞いた声
それは、その声は
『レン、くん・・・』
ぜえぜえと息を切らしながら私に駆け寄り、レンくんはカナデくんと対峙した
「カナデ・・・いつまでそうやってユーリに、いぞんしつづけるのですか?」
睨みつけながら、レンくんは言った
カナデくんは驚いたようで、目を見開いた
「どうしてそんなことを言うの?お前だって依存しているでしょ」
声を低くして、威嚇しているかのようなカナデくんは、苛立ちを隠そうともしない
レンくんも苛立たしげに言い返そうとした
「それはそうだけど・・・ああもう、いいですよ!
それはいいとしても、シオン!!
シオンなら、ユーリをたすけるってしんじていたのに、ざんねんですよ!」
びしっとシオン様を指さして、レンくんは言う
空気のように存在感を消していたシオン様は、名前を呼ばれた瞬間に全身を強張らせた
「・・・ユーリが幸せになるなら・・・それでいい・・・」
そう言って顔を伏せたシオン様
レンくんの方から舌打ちが聞こえてきた次の瞬間、私はレンくんに手を握られていた
「シオンは、にげているだけですよ!!!!
もういいですよ、うんめいにあらがわないひとは、みんなきらいです!!
シオン、ユーリはぼくがまもりますから!
カナデ、あなたはもっと、ユーリのきもちをかんがえてあげてください!!」
力いっぱい叫んだレンくんは、言い終わるや否や
私の手を引いて、どこかへと駆け出した