魔王vs神王→私!?


「シオン、この子助けなかったの?」






前、シオンがどうしてでも助けたいと言い、王の交代までした、あの娘







その娘がまた死にそうになっているとの記述があった









「いや、助けたんだがな・・・。親が家に帰ってこないからまた死にそうになっているんだ

なぜか調理しなければいけないものばかり買ってきて、無茶な調理をしてさ。
火傷は増える一方、指の切り傷は深いものばかりでいつも貧血

栄養が充分に摂れていないから死にそうなんだ」






苦しそうに言うシオンは、ようやくカナデの言っていたことが理解できた、といった感じだ







「だから言ったでしょう?キリがないんですよ」






溜め息を吐き、カナデは天界への受け入れを許可するサインをした





シオンも溜め息を吐いた




「あぁ・・・やっとわかったよ。」





しかし、すぐにもち直すと、カナデに詰め寄った





「でも生き返らせた事で、彼女についてもわかったんだ

・・・可哀想な人なんだ

俺は天界で幸せになってほしい
カナデ、この子の記憶を消してやってくれないか?」





うんうんと空返事をしていたカナデは、すぐには、そのお願いの異常さには気付けなかった






だが気付いた時、思わずカナデは顔を上げた






「はぁぁぁぁああああ!!??






・・・シオン、本気?」





シオンの言うことが冗談だと信じたいカナデは、下から窺うように見た









しかしシオンはいたって大真面目だ






「俺は冗談は、基本的に言わない主義だ」








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