魔王vs神王→私!?
ー現在・天界・書物庫ー
『カナデは天界に結莉を連れ帰った・・・
結莉の時間は神王の力で止められ、結莉は長らく天界で過ごすこととなる・・・
しかし、シオンがカナデを叱咤し、やむなく結莉は現界に帰される・・・
カナデの隣でこのまま過ごしたいと懇願する結莉の後を追って、カナデは神王の執務をすべてレンに投げ、現界へと行く・・・
シオンにばれぬよう、結莉を連れてまたすぐに天界に戻るつもりであったが、シオンの術により、結莉もカナデも記憶を喪失してしまう・・・
カナデは精神年齢に相応しい容姿で、魔界での待遇と似た、神代家の次男として組み込まれる・・・
カナデは奏となり、再び現界で結莉と相見えることとなる・・・
一度、奏によって結莉は命を落とすも、シオンによって時を戻され、再度人生を送る・・・
その人生は自身で決意して命を落とす・・・』
震える手でまた、ページをめくる
もう、頭の中は飽和状態で、何の情報も取り込みたくないと叫んでいた
それでも私は、文字の羅列を読み続ける
レンくんは知らなければならないと言った
その意味は、すでに分かっていた
私がどれだけ3人に迷惑と苦痛と、苦悩を与えていたのか
誰に、どう、謝ればいいの・・・?
罪悪感からの出口は、未だ見えぬままであった
『結莉が死んだ事に気付いた時、奏はカナデの記憶を取り戻す・・・
今すぐにでも天界に帰り、傍にいてあげなくてはと思うも、目の前の結莉の亡骸の美しさに目を奪われ、しばらく留まる事を決意する・・・
奏が≪結莉酒≫を飲み終わるまで、失くしたままの記憶を戻さぬようにとレンに命令を言い渡す・・・
ところがシオンが規則を破り、愛の言葉を伝えたり、更には記憶を戻す手伝いをしたことで、結莉は全てを思い出す・・・
仕方なくカナデは天界へと戻り、神王の冠だけレンから受け取り、結莉がかつて望んだ、隣にいたいを叶えた
そのまま余計な記憶を消そうとするも、レンによって阻止される』
ぱらり、まためくる
しかしそのページは何も書かれておらず白紙だった
『・・・おわり・・・?』
これが、私を取り囲んでいたみんなの・・・私の知らない事実
頭はガンガンと痛み、僅かに吐き気もあった
私の人生は、何回も終わっていたのだ
その度に、生き返らされていたのだ
底知れぬ恐怖と似た感情が、心の中に巣くった