魔王vs神王→私!?
「苛立っているの?・・・あのね、ユーリ?
レンのことなら、気にしなくて良いんです
レンという存在は僕が作ったんですよ?
だから、僕が存在を消すのは義務です」
幼子を諭すかのように、カナデくんは言う
にっこり、笑いながら、私の頭を撫でながら。
そんな子供扱いがまた、レンくんを侮辱しているようで、私を馬鹿にしているようで
一旦は止まった涙がまた溢れてきた
『義務とか、そんな一言で終わらせちゃだめだよ
レンくんは息をしていたし、心を持っていたし、ちゃんといつだってカナデくんのこと考えてた
慕っていてくれた手を自分で払いのけるなんて・・・
カナデくんは、それでいいの!?』
生きる権利は、誰にでもある
カナデくんにも、レンくんにも、シオン様にも
でも、それでも、殺す権利は誰にもない
たとえそれが主であったとしても
きっとカナデくんを睨みつけて、私は訴えた
しかし、どれだけ頑張ってもカナデくんは笑顔を崩さない
「どうして駄目なんですか?
前からずっと言っていますよね?
僕はユーリがいれば、それだけでいいんです
それ以外なんてどうでもいい
消してもいい、痛めつけてもいい。
悪い理由が見つかりません」
甘ったるい笑顔、言葉
胃がもたれてしまいそうな甘さ
昔、この甘味を嬉しく思っていた一人の女の子がいた
自分の存在理由が見つかった気がして
自分の存在価値が見出せた気がして
存在を許された気がした
その子は、乾いた心を甘い言葉で潤そうとしていた
甘さに酔って、目を逸らしていた
本当に欲しかったものを、考えないようにしていた
・・・・・・そんな、どこまでも頭の悪い女の子は、私