魔王vs神王→私!?





カナデくんが、急に私を押し倒して、その上に覆いかぶさった、コンマ数秒後に訪れた







耳をつんざくような、何とも形容しがたい音








壊された勢いで飛んできた、元々はドアだった破片








そして、確かな意思を眼に宿した、シオン様






まっすぐにカナデくんを見つめて言った






「・・・俺はやっぱりそんな手口には賛成できない」






カナデくんが起き上がり、私を抱き起こす





そして、カナデくんもまた、シオン様を睨みつけた






「シオン、破片がユーリに当たったりでもしていたら、
お前の首は今頃、僕の手の中だったでしょうね」







「近くにいたのに守れなかったカナデが悪いんだろ」








まさに、一触即発






そんな空気感






「そうやって・・・シオンは僕の邪魔ばっかり

どうして僕の好きにさせてくれないの?」







「カナデが間違っているからだ。
いい加減に目を覚ませ!!」








荒ぶっている心中をそのまま体現し、シオン様は叫ぶ








それを目の前にしているカナデくんもまた、苛立ちを隠そうとしない







その場の空気と2人の迫力に気圧され、私は思わず一歩後ずさろうとした








しかし、それは叶わなかった






カナデくんが私の腰に手を回して、逃げられないようにしたから








「・・・怖いんですか?大丈夫ですよ」







そう言ってにっこりと微笑む







その笑みに、私は安堵し、カナデくんに体をもたれかけた






その瞬間、シオン様の目つきが変わった







「・・・ユーリ、そいつから離れろ。
カナデはまた、都合のいいことを言って、
お前を自分のものにしようと企んでいるんだ!!」









そう言って必死で訴えるシオン様






その訴えに、私は思わず息をすることを忘れた








・・・・・自分のものに・・・?








私は今回もまた、自由を失う道へ進もうとしていたの・・・?











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