魔王vs神王→私!?
『ん、ふぅうっ!?!?』
片手は後頭部に添えられ、片手はきつく私を囚えて離さない
感じたことのない感覚に頭がついていかず、抵抗もままならない私
それに気付いてか、カナデくんは好きなように私を弄ぶ
整理しきれない感情が涙となって、次々に溢れ出た
「っふ・・・泣くなんて、ひどいですよ」
唇の距離がゼロから数センチに変化する
カナデくんの吐息が感じられる距離
眼に映った、怯えきった顔の私でさえ、よく見えた
『・・・・ぅ・・・』
ぺろり、頬の涙が舐めとられる
カナデくんは、今度はきちんと微笑んでくれていた
『ひどいのは・・・カナデくんだよ』
「今まで我慢していたんですよ。
・・・守りたかったから。
でも、もう守る必要がないのだと、ユーリは気付かせてくれた
貴女が、トリガーを引いたんですから僕は悪くありません」
そう言いながら、私の首に顔を埋める
クエスチョンマークが頭を占めた
どうしたの、と尋ねようとした瞬間
首に、激しい痛みが走った
『っつあ・・・!!』
痛みで思考回路が鈍っているのにもかかわらず、理解が出来た
噛みつかれている、と
『い、痛いよ、カナデくん、どうして・・・』
距離を置こうとも、噛みつかれているため、今以上の痛みが伴う
動くことは、躊躇われた
噛みつかれた上で舌を這わされると、もうわけがわからない
『やだ、離してよ、痛いから・・・!』