魔王vs神王→私!?
『・・・シオン様・・・?』
「ッッッッ!?!?!?」
なぜ、生きているんだ・・・?
俺は今、この手でユーリの心を潰したはず・・・!
焦りで、思考回路が鈍る
その隙を、突かれた
血に染まる、俺の胸元
血の赤を認識した瞬間に、一気に痛みがおしよせた
『・・・・・シオン』
愛しいユーリの口から聞こえてくるのは、カナデの声
そのとき、ようやく気付いた
あいつは、ユーリに術をかけていたのだと
ユーリがその顔に浮かべるのは、見慣れた笑顔
『ふふふ・・・僕はユーリを守らなくちゃいけないんです。
ユーリは必要ないって言ったけど、やっぱり必要だった
僕、ちゃんとユーリのこと守れました
・・・ね?ユーリ。
今は僕が表面意識を支配しているから貴女の意志は、この体に反映されませんけど・・・声くらいは、僕になら届いていますよ』
ゆったりと会話をしているうちにも、血は広がっていく
魔王であるため、治癒力は高いはずなのに、治りが遅い
これもまた、カナデの仕業なのであろう
忌々しいといった視線を投げかけても、カナデは特に気に留める様子もない
『ユーリ、シオンはね、貴女をだましていたんです
許せないでしょう?
ねえ、許せないよね?
そんなに悲しまないでください、ちゃんと用が終わったらこの体はお返ししますから・・・』
事情を知らない奴が見たら、完全なる一人遊び
それでもカナデは、ユーリとの会話をつづけていた