魔王vs神王→私!?




・・・痛い







そう呻く俺に、カナデは見下したように言った







『痛い?あたりまえじゃないですか、死ぬのに痛くないなんて、そんなものは死ではありませんよ』







そう言いながら、また一撃







今度は、首にあてられた







『自分勝手に生きてきたこと、後悔するんですね。

今から、生き地獄というものを再現してあげます

・・・僕は、この瞬間をずっと待っていた・・・

かわいそうなシオン

貴方は今から、死ぬよりつらい苦痛を受けなければならないんです

・・・ユーリは、その安全な深層心理で見ていてください

こいつが、苦しむ様を。」







ふふふ、ふふふふふ。









カナデの笑い声だけが響く








あきらめてたまるものか









その決意は、きっと今だけのもの








そのうち痛みに精神をやられて







すべてに身を委ね、ただ痛みを感じ続ける人形となるだろう









その結末は、









もうすぐ。










目を閉じかけたとき、カナデの声が、妙に頭に響いた










『ユーリを、次期神王に任命する』









ユーリが神王、かよ・・・。










ずいぶんと似合っているじゃねえか










思わず、こんな状況なのに笑っちまった・・・










ああ、どんなに俺がひねくれ者でも









お前を好きな気持ちだけはまっすぐだったよ








・・・ユーリ









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