魔王vs神王→私!?
「本当にありがとうございました!」
解放された喜びに涙する彼女は言った
勢いよく頭をさげられて、逆にこちらが恐縮だ
『いえ、そんな、顔をあげてください』
相手は一学年下なのに、思わず敬語になってしまう
おずおずと頭を上げた彼女は、さっきよりもずっと不安そうな顔をしていた
「あの・・・先輩も気を付けてください
神代奏は、恐ろしい人ですよ」
もし先輩が、愛海のせいでターゲットになってしまったら・・・!
彼女は、そう呟くと顔を青くした
『・・・?あの・・・?』
どうやら一人で考えが盛り上がっているみたいなので声をかけてみる
すると案の定彼女は私に意識がいっていなかったらしく、小さく悲鳴をあげた
『ターゲットって・・・?』
私がターゲットとはどういう意味なのだろう
曖昧に笑う彼女を見ると、あまり話したくない事なのだと悟らされた
どうしたものか。
自分が関係しているのに知れないというのは、なんだか落ち着けない
「あの・・・今愛海の口から神代奏のことを語りたくないんです
・・・怖いから。
すみません、少し時間が経ってからなら大丈夫なので」