魔王vs神王→私!?


「そうですよ・・・コウさえいなければ、僕が殴られることはなかった
僕が、愛された。僕が、幸せになれたはずなのにッッ!!!」





奏くんがコウくんの腹を蹴る





蹴られるたびに、苦しそうな呻き声が聞こえてきた




「そうだ・・・そうだよ・・・コウがいなければ、コウがいなければ、コウがいなければ・・・っ!!!!!」





コウくんが奏くんに蹴られているのに私は動けずにいた






止めに入りたかった






助けたかった







でも、情けないことに、足が震えて立てない






叫ぼうにも、さっきから喉に何か張り付いたように声が出ない







蹴り続けられるコウくん





罵詈雑言を吐き続ける奏くん






身動きが取れない私






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