【短編】グラさん観察
「ん―――…、よっしゃあ!!グラさん…いや、壱に1歩近づけたぞー」
叫ぶあたしを周りの人は、奇妙な生き物を見るように見てるけど、そんなの慣れっこ。
ヤバイ……めっちゃ嬉しい。
ちょっと前まで、名前すら知らなくて、話せるなんて思ってもみなかったのに。
まだ、心臓ドクドクいってるし。
私と壱を近づけてくれたチャラ男さん。
心からありがとぉ。
さっそくメールをしようとケータイを開いた。
メールメール……
……ん?
まさか……ね?
いや、そのまさかみたい…。
話すのにいっぱいいっぱいで、メアド聞くの忘れてたぁ…。