【短編】グラさん観察
気絶しちゃうよ……、きっと。
「美佐、水着かわいい」
予期せぬ壱の言葉に顔が熱くなっていく。
でも、この恋心、バレてはならぬ……。
「そ、そうかなぁー?ありがと」
「黒よりピンクのほうが似合う……」
この前の水着見てくれてたんだぁ。
なんだか嬉しい。
「美佐、今からどっか行く?ヒデはあんな調子だし」
壱の少し低い声が、胸のミットにドストライク!!
壱が誘ってくるなんて……。
もちろんこの誘い、断わる訳にはいかないでしょ。
「行く!!」
私は迷わず即答した。
あまりの返事の良さにびっくりした様子の壱だったけど、そのうちニッコリと微笑んだ。
その時見た壱の笑顔は、何時もの不機嫌さとは似ても似つかないような、爽やかな笑顔だった。
その時、私は気付いた。
あぁ……私、本当に壱の事が好きなんだって。