【短編】グラさん観察
海の家集合って事になってたから、壱にメールしとかないとね。
「バイトの先輩の陵さんの家で待ってます。
陵さんの家は、海の家のすぐ側にあります。
美佐」
送信した後、陵さんがニヤニヤしながらケータイを覗きこんできた。
「なんだー?彼氏とか」
「ちっ、違いますよ!!」
とかいいながら、彼氏になればいいのにな――…なんて、いろいろ妄想しちゃったりして。
うきゃあああああ!!
そんなあたしを陵さんは全て見透かしたような目で見てくる。
やっぱりあたしの顔に何か書いてるのかな……。