【短編】グラさん観察
あれから、海の家のすぐ側にある陵さんの家で壱を待たしてもらっていた。
陵さんは、1人暮らしでアパートに住んでいる。
そこには、たくさんのサーフボードがあって。
棚の上には、沢山のトロフィー達。
どうやら陵さんは、凄いサーファーらしい。
壱とどっちが凄いんだろ……。
そんな事を考えながら、なれない部屋でモジモジしていると、お茶を持ってきた陵さんが突然……
「美佐ー、腕相撲しようぜぇー」
「あ、はい。いいですよ?」
この歳で腕相撲かよ…。
「でも条件があります」
「条件?」
「勝ったら、明日の仕事を休みにして下さい」
「いーよ!!ok」
ちょっと無理かな――…と思ったけど、陵さんはかるくokしてくれた。
陵さん、わかってないなぁ。
私、腕相撲かなり強い派なのに。