【短編】熟女の恋愛事情
そんな付き合いがよく一年近く続いたと言うべきか、年明けにりかは、某ゲームサイトで知り合った男性と1週間ほどのやりとりで会って、しかもそれがお泊まりだったという。


それで、彼氏と別れたのかと訊いたら
「えっ?もう連絡とかしてないし…」と濁しながら、
「会ったその日にお泊まりしたなんて初めてなんだ」
なんて、興奮していた。


若くないんだから…

などと思いながら、昔と変わらないとも思った。




それからすぐに、新しい彼氏と半同棲状態になった。

「子どもたちには、納得してもったの?」

私たちは、そこが心配だった。

いくら成人していても、やはり子どもは、子どもだ。

「こないだ。彼氏にむかって『うちのお母さんを返してよ。』なんていうから、何言ってんだと怒っちゃったんだよね。彼氏もそれ以前から子どもと会いたくないなんて言ってる。」

「ま、まってよ。彼氏って、りかのことを子どもがいるのを承知で婚約者だって公言してたよね。それで子どもに会いたくないって、結婚するつもりないの?」

ついそう聞いてみてしまった。
だって、付き合いだしたのは、子どものことを相談したのがきっかけなんだと聞いてたからだ。


まぁ、やりとりから1週間でお泊まり関係をもっちゃったと聞いたときに、子どものことなんか口実だとは、思っていたけど…


子持ちを婚約者扱いするなら、子どもに会うのが当然だろうと思っていた。



だけど、二人の関係は、それからとくに進展もせずに3年も続いた。












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