土方歳三と運命の人~沖田総司と運命の駄犬 番外編~
アレを見て思う。
梓は、きっと、総司に惚れてる。
おなごの事なら、大体わかる。
俺を好いてると言ってきたおなごの目。
幾度となく受けてきた。
梓が、俺を見て、あんな熱のある視線を向けてきただろうか?
いや、無い。
伊東に襲われたあの日以来、梓の行動はおかしい。
俺と話してても、ソワソワして、すぐに、どこかへ行ってしまう。
しかも、真っ赤になって、総司の話を振ってくる。
総司といるときは、楽しそうにしている。
はぁ・・・。
梓の気持ちに気付いてしまった。
総司も梓に惚れてる。
見てても、お似合いだ。
総司があんなにおなごに懐いてるのを見たことは無い。
土方「ふっ。俺のこの気持ちが、邪魔者だ・・・。」
二人をくっつけてやればいいのに、それをしてやれねぇ。
胸が苦しくなる。
俺は、書簡を片付ける手を止めていた。
土方「はぁ・・・。」
俺は、痛む胸を抑えた。
土方「くそっ。恋煩いとか勘弁しろよ・・・。」
そう呟いていると、襖が開いた。