土方歳三と運命の人~沖田総司と運命の駄犬 番外編~
占い屋忠兵衛って、少し前に、流行ってたアレか?
トボトボと、歩いていると、人里離れた所に、一軒の荒ら屋。
横目に通り過ぎようとしたとき・・・。
「あれ?あんた・・・。取り憑かれているのか?」
誰にも、わからなかった事を、言われた。
土方「お前・・・わかるのか?」
「まぁな。」
土方「お前は、誰だ?」
忠兵衛「私は、占い屋、忠兵衛の主、忠兵衛と申します。」
土方「占い屋、忠兵衛って・・・少し前に流行ってた占い屋か・・・。」
忠兵衛「ははっ。そりゃ、どうも。で?おなごに取り憑かれてしまったと?」
土方「多分・・・。」
忠兵衛「私なら・・・。取り憑いてるものを祓って差し上げれますが?」
土方「やはり、俺は、取り憑かれてるのか?」
忠兵衛「はい。今は、片腕だけ、黒くなっていますが、それが、全身に広まると、あなた様の人生は、終わる・・・。」
土方「お前は、これを祓えると?」
忠兵衛「はい。ただし、タダでは、出来ませんがねぇ。くくくっ。」
こいつ、俺を、“下”に見てる・・・。
土方「ふんっ。別に、終わるなら、終わったで・・・。」
忠兵衛「本当に?あなた様は、侍になるのが、夢なんでしょう?それが、叶えられなくなりますよ?」
土方「なんで、それを・・・。」
確かに、俺の夢は、侍になることだが、何故、コイツが、知ってるんだ?
俺は、薬箱と一緒に担いでいた木刀を構えた。
忠兵衛「何を?」
土方「死にたくなければ、教えろ・・・。何故、お前は、俺の事を、知っている?」
忠兵衛「これを・・・。」
すると、忠兵衛は、一冊の書簡を、渡してきた。
それを、少し読むと・・・。
土方「新選組?あ!かっちゃん!それに・・・俺の名前・・・。」
書簡には、俺の名や、試衛館の仲間の名前が載っていた。
土方「どういう事だ?」
忠兵衛「ふふふ。あなた様は、歴史に名が、残るんです。でも、今のままでは、名が、残る所か、死んでしまいますがね・・・くくくっ。」
土方「お前は、この呪いを、祓えるのか?」
忠兵衛「えぇ。」
土方「頼めるか?いや、お願いだ!頼むっ!」
忠兵衛「良いですよ?ただし・・・タダでは、無理です。」
土方「金か?」
忠兵衛「あなた様から金をむしり取ろうとは思ってませんよ。取引をしようじゃありませんか!」
意気揚々と、忠兵衛が言う。
土方「取引?」
忠兵衛は、ニヤリと、厭らしい笑みを浮かべた。