土方歳三と運命の人~沖田総司と運命の駄犬 番外編~
この取引、怪し過ぎねぇか?
忠兵衛「実はですね・・・。今、私は、大口のお約束がありましてなぁ。それと、あなた様のお祓いをする事と、繋がるんです。だから、それを、あなた様がして下されば、お代は、いりません。」
土方「何をすれば?」
忠兵衛「あなた様に憑いている物、それは、あなた様の歴史には無い事。だから、運命を、また、変えればよろしいのですよ。」
土方「意味が、わからん。」
忠兵衛「あなた様は、『運命の人になって下さい。』と言われたのでしょう?だったら、別に、運命の人を作ってしまえば、よろしいのです。」
土方「運命の人ねぇ・・・。そんなモンいるのか・・・?」
忠兵衛「えぇ。どうしますか?探しに、行かれますか?」
土方「探しに・・・。どうして、あんたは、俺を、助けようとするんだ?」
忠兵衛「そうですね・・・。では、私の“旨み”をお話ししましょう。」
土方「旨み?」
忠兵衛「うちのお客さんは、あるところの姫さんでしてね、一度、未来に行ったときに、その姫様は、恋をされた。そこで、姫様は、もう一度、その人に、会いたいとおっしゃるんですよ。」
土方「未来へ行く?」
忠兵衛「はい。未来です。そこで、あなた様は未来へ行き、そこで、あなた様の運命の人を見つけてここへ連れて来て下さい。」
土方「運命のおなごを見つけるなら、別に、未来なんざ、行かなくても、いいんじゃねぇのか?」
忠兵衛「それは、そうもいかないんです。すでに、そのおカツが、あなた様に、取り憑いた時点で、歴史を、変えられてしまった。だから、こちらも“異物”を取り込んで、元に戻すのです。」
土方「異物?」
忠兵衛「えぇ。あなた様は、未来に行き、運命のおなごを探して、ここに、連れてくる。そしたら、ここに、あなた様の運命の人がいる。運命は、変わるでしょ?」
土方「そういうものなのか?」
忠兵衛「はい。そういうものです。」
土方「でも・・・。ここに来るってことは、時渡りをするって事だろう?そんな事をしてくれる奴が、いるのか?」
忠兵衛「それは、あなた様次第でしょう。そんな大事をもあなた様の為にしてくれるおなごを探すのです。そんな弱気で、あなた様は、自分の未来を捨てるのですか?」
土方「おなごを、連れてくるだけで、俺の運命は、変わる・・・?」
忠兵衛「えぇ。」
土方「やってやる。俺は、俺の夢のためなら、何でもする・・・。」
俺は、占い屋と取引をする事にした。