土方歳三と運命の人~沖田総司と運命の駄犬 番外編~





部屋に戻り、上半身の着物を脱いだ。



沖田「失礼しますよ。」



汗を拭いていると、総司が、部屋に入ってきた。



土方「何だよ?」




沖田「どういう風の吹き回しですか?土方さんが、おなごに贈り物だなんて。」




総司が、イラついている。



何でだ?



土方「別に、深い意味はねぇ。馴染みの芸妓に、せがまれたついでだ。」




沖田「土方さんは、梓の事を好いてるんですか?」




土方「何で、そうなるんだよ。」




沖田「そうにしか見えないからです。そんなに好いてるなら、自分の手元に置けばいいじゃないですか?」





そう出来るなら、とっくにしている。



土方「俺は、忙しいんだよ。てか、何で、そんなに、ムキになる?」




沖田「別に、ムキになんてなってません。もし、土方さんが、梓の事を好いてるなら、引き取って欲しいだけです。」





総司、お前、まさか・・・。




俺は、カマをかけてみる。



土方「ふーん。本当に良いのか?お前は?」




沖田「のしを付けて、お渡ししますよ!あまり、うちの犬に餌付けしないで下さい。香袋は、馴染みの芸妓にでも、あげてください!それでは、お邪魔しました。」




ピシャリと、襖を閉めて、出て行ってしまった。




何でだよ・・・。




お前には、恋仲が、いるんじゃねぇのかよ・・・。





俺は、梓が、ここへ、来たとき、総司なら、おなごに興味もないし、恋仲にゾッコンだと、聞いていたから、総司の側に置いておいたのに・・・。





土方「こりゃ、厄介だ・・・。」




俺は、ボーッと、総司の出て行った襖を眺めていた。





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