土方歳三と運命の人~沖田総司と運命の駄犬 番外編~
俺は、梓の手を引き、屯所に戻った。
土方「おい、俺の部屋に来い。」
梓「はい。」
部屋に入り、向かい合う。
土方「まず・・・。何で、出て行った?」
梓「占い屋を探しに・・・。」
やっぱり、帰りたいのか。
当然の事か・・・。
土方「はぁ・・・。どれだけ、俺らが・・・いや、総司が、えらく心配してたぞ。」
俺は、総司の名を出す。
梓「沖田先輩が・・・?」
土方「あぁ。梓が、居ねぇって、泣きそうになってた・・・。」
梓「沖田先輩がですか?信じられない・・・。」
そう言う梓は、少し、嬉しそうな顔をした。
そんな、梓の顔を見ると、俺の胸は、黒くざわつく。
土方「まぁ、その話は、あいつから、直接聞け・・・。で?占い屋は、あったのか?」
梓の顔は、暗くなり、首を、横に振る。
梓「どうせ、土方さんも信じていないんでしょ?」
土方「お前に、話しておくべき事がある。」
梓「はい。」
俺は、言える範囲に少し嘘を交えて話した。
土方「実はな、お前が、連れて来られた時、おなごから、文を貰ってた・・・。怪しい誘いで、それを調べようとしてたのに、お前の方が、怪しくて、そっちに行けなかった。後で、聞いたら、行った奴らが、神隠しに遭った・・・。だから、俺は、お前に、救われた・・・。」
梓は、嬉しそうに、目に、涙をためた。
梓「良かった・・・。」
俺は、梓の頭に手を置いた。
土方「それに、総司は、お前を気に入ってる。支えてやってくれ。」
きっと、総司が、帰ってきたら、近藤さんから、あの話がある。
その時に、少しでも、心が、軽くなるなら、いいと思った。
それが、二人の心を近付けてしまうかも、しれないが、今は、総司が、潰れない事が重要だ。
梓「疎まれていても、気に入ってるのかは不明ですけど・・・。いや・・・。サウンドバック的な感じだから、そういう意味で、気に入ってる?」
総司は、梓には、本当の自分を出せるのか・・・。
土方「くくくっ。まぁ、今回の脱走は、見逃す。だが、次は、処罰するからな!わかったな?」
梓「脱走!?ってことになってるんですか?」
土方「あぁ。いきなり、いなくなったんだ。ちなみに、ここでの脱走は、粛清対象だ。」
梓「粛清!?」
土方「次は、粛清だから、気をつけろよ?」
梓「はい。」
梓は、部屋を出ていった。