土方歳三と運命の人~沖田総司と運命の駄犬 番外編~
そんなある日・・・。
山南「先ほど、村の男達が、噂していましたよ。」
原田「何をだ?」
山南「山一つ向こうの村に、それはそれは、美しいおなごがいると。」
藤堂「あ!それ、俺も聞いた!いわく付きでしょ?」
山南「そうそう。」
土方「どんないわくだ?」
藤堂「実は、そのおなご、鬼らしくて、夜這いに来た男を喰ってるって噂だ。」
永倉「俺は、狐で、化かされるって聞いたぞ。」
原田「俺は、幽霊で、魂を抜かれるって聞いた。」
土方「へぇ・・・。面白れぇじゃねぇか。」
沖田「まさか、土方さん、そんな、怪しい噂のあるところへ行く気ですか?」
土方「俺は、鬼も、幽霊も信じてねぇ。狐なら、狩って来てやる。」
沖田「止めておいた方が良いですよ!呪われたら、どうするんですか!?」
土方「お前ぇ、そんな物を信じてるのか?」
沖田「信じていませんけど、もしもってことで、一応、心配してるんです!まぁ、僕にとっては、兄上のようなお方ですから?」
土方「ははっ。素直じゃねぇなぁ。大丈夫だ!それに、美人と聞いたら、行って見てみたいというのが、男の性だろ?」
沖田「山一つ向こうまで行くって、余程のバカにしか思えませんけど・・・。」
土方「何か言ったか?」
ギロリと睨むと、総司は、「べっつにぃ~。」と、席を立った。