土方歳三と運命の人~沖田総司と運命の駄犬 番外編~
俺らの栄光を手にするぞ!
季節も変わり、暑くなってきた頃・・・。




潜入していた山崎から、定期的に、来ていた知らせから、好機が来た。




土方「『何かを企てている様子』か・・・。くくくっ。そうか・・・。」




未来で知った通りだ・・・。




池田屋事件・・・。




これで、俺らの名は、日の国に名を知らしめる事となる。




これが、一世一代の舞台だ・・・。




これで、近藤さんは、有名な策士と言われる。




俺は、慎重に事を運ぶ。




ある意味、未来を知っていることが、こんなにも有益なら、あのおなごに、呪われたのは、良かったことかもしれない・・・。




俺は、隊士に、指示を出して、見張りなどを強化させていた。




これで、失敗するわけにはいかない。




そんなとき梓が、心配そうに俺に話しかけてきた。



梓「土方さん!」




土方「ん?梓か・・・。どうした?」





梓「えっと・・・。」




土方「用がねぇなら、行くぞ。今、ちょっと、立て込んでんだ。」





梓「あの!お祭りに、沖田先輩と行こうと言ってるんですが、一緒に、どうですか?」





土方「祭か・・・。あぁ。そういえば、祇園祭が近かったな・・・。悪ぃな。多分、無理だ。」





梓「行けたらで、良いので、行きましょう!」




その時、気付いた。




コイツは、俺を心配してんのか・・・。




最近、ずっとピリピリしていたから、気を紛らわせようとしてくれているのか・・・。




気を遣わせたな。




俺は、梓の頭を撫でた。





土方「わかった。」




すると、梓は、嬉しそうに笑う。





梓「約束ですよ!」




土方「あぁ。」





梓と別れて部屋に戻り仕事に戻った。






そして、“池田屋事件”の日が、近付いてくる。




そろそろだ・・・。





“その日”が来た。






俺は、数日前に、幹部会議で、桝屋の主人を武田さんの組に捕縛させた。





土方「山南さん、頼みがある。」




山南「君から頼み事なんて、珍しいね。」




嫌みか?




土方「総司が居ねぇから、梓のことを頼みたい。これから、桝屋も来る。」




山南「なるほど。彼女に、生々しい所なんて見せれませんものね。」




土方「頼めるか?」




山南「はい。字の練習でも、部屋でさせておきましょうか。」




土方「そうだな。じゃあ、頼む。」




そう言って、山南さんと別れた。
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