土方歳三と運命の人~沖田総司と運命の駄犬 番外編~
部屋に戻ると、梓が、俺の着物を着て、部屋から出てきた。
俺の着物を、梓が、着てる・・・。
俺は、胸が、高鳴った。
部屋に入り、手当てを始める。
土方「ほれ。手を出せ。」
梓の細い指に薬を塗る。
俺は、もう片方の手を取って調べる。
こっちは、大丈夫みたいだな。
土方「梓・・・。」
俺は梓の手を握り、指を絡めた。
梓「土方さん?」
梓が、俺の着物を着て、真っ赤な顔で、俺を見つめている。
もし、俺が、触れたら、梓は、どういう反応をするんだろうな・・・。
梓「っ!」
俺は、梓の手を持ち上げて、梓の手の甲に、唇を押し当てた。
そのまま、視線を外さず、梓に熱の籠もる視線を送った。
梓は、固まり、真っ赤になっている。
何度か、音を立てて、手の甲に口付けた。
すると・・・。
「土方副長。近藤局長がお呼びです。」
ずっと、見つめていた、視線を逸らすと、固まっていた梓の体から力が抜けたのがわかった。
俺に、緊張したのか?
もっと、俺を、意識しろ・・・。
俺は、梓に、ここにいるように告げる。
きっと、総司と喧嘩でもして、部屋に戻れねぇだろうしな・・・。
土方「今宵は、戻れそうにねぇ。お前、今宵は、ここにいろ。わかったな?」
梓が頷くのを、確認してから、俺は、部屋を出て行った。
部屋を出て、一息ついた。
胸が、物凄く高鳴っている。
土方「俺が、おなごにこんな風になるなんてな・・・。」
俺は、深呼吸をして、気持ちを切り替えて、近藤さんの所へ行った。