土方歳三と運命の人~沖田総司と運命の駄犬 番外編~
俺は、近藤さんに、報告を済ませて、部屋に戻った。
梓は、布団にくるまって、寝ていた。
俺は梓の、頬にかかった髪の毛を払った。
土方「梓・・・。」
俺は、梓の頬を撫でて、顔を近づけた。
そして、そっと、梓の唇に、自分の唇を重ねた。
土方「もう・・・。この気持ちは、言い逃れ、出来ねぇよな・・・。梓・・・。俺は、どうやら、お前に、惚れている・・・。なぁ、梓・・・。お前の心には、誰がいるんだ?あの、未来のシンとかいう、軟弱アイドル野郎か?それとも、総司か?」
俺は、梓の指に、自分の指を絡めた。
そして、梓の指に口付けた。
土方「いけね。書簡・・・。」
俺は、梓の手を離して、会津藩に献上する書簡作成をやり始めた。
夜が明けて、朝になった。
梓「土・・方さん・・ダメです・・・。」
土方「あ?」
やけに色っぽい声だな・・・おい。
梓「土方さん・・・。そんな・・・。キ、キスなんて、そんな・・・。」
土方「おいおい、何の夢、見てんだよ。こっちが、恥ずかしくなるわ。」
起こそうと、梓の寝ている所に移動すると・・・。
梓「うわぁぁぁぁ!!!!」
いきなり大声を出して、バッと、梓が、起き上がった。
梓「夢・・・?」
土方「起きたか?」
梓「ひ、ひ、ひ、土方さんっ!なんで、ここにっ!?」
土方「なんでって・・・ここは、俺の部屋だからだ。で?朝っぱらから、デケェ声出して、怖い夢でも見たのか?」
俺は、笑いを堪えて、聞いてみた。
梓「え?いやっ!ハハハッ。大丈夫です!大丈夫!」
ぷっ。真っ赤な顔しやがって。声、上擦ってるし。
昨日、手に、口付けしたのが、余程、効いたみたいだな。
土方「顔が、赤いぞ?風邪でもひいたか?」
わざと、そう言って、梓の額に手を当てた。
梓「っ!」
梓は、目を大きく見開き、真っ赤になっている。
土方「ちょっと、熱い気が、するが、本当に、大丈夫か?」
梓「だ、大丈夫です!これは、その、緊張というか、夢の・・・。」
土方「夢?」
梓「いえっ!何でもありません!」
もう、いじめるのも、かわいそうになり、話を変える。
土方「そうか・・・。飯、食えるか?」
梓「はいっ!お腹、ペコペコ!」
土方「ぷっ。そうか。じゃあ、行くぞ。」
梓「はい!あ・・・。手伝いに行ってきます。」
梓は、そそくさと、出て行った。
大広間に行っても、梓は、いなかった。
土方「梓は?」
先に来ていた、原田に、聞いてみた。
土方「原田さん、梓、来てないか?先に、手伝いに来たはずなんだが・・・。」
原田「さぁ?」
すると、総司んとこの組の平隊士が答えた。
猪田「土方副長、梓なら、沖田助勤の所に、お粥を持って行ってます。沖田助勤が、仲直りをしたそうだったので・・・。」
土方「そうか・・・わかった・・・。」
くそっ。ムカムカする・・・。
俺は、飯をかっこみ、すぐに、部屋を出た。