土方歳三と運命の人~沖田総司と運命の駄犬 番外編~
朝、目を覚ますと、梓は、まだ、寝ていた。
俺は、ギュッと抱きしめ直し、梓の頭に、口付けをした。
梓「ん・・・。」
起きたか・・・。
梓「うん・・・?この匂いどっかで・・・。」
状況を確認した梓の体に力が入る。
梓「っ!」
梓は、身じろいで、俺の腕から、抜けようとしたが、寝ているフリをして、離さずにいた。
すると、外から、梓を探す声がする。
『梓~?』
この声は、総司か・・・。
スパーン!
沖田「土方さん、梓がいな・・・っ。」
梓「あ・・・。」
総司に殺気が纒わっていく。
沖田「土方さんと、そういう関係なの?」
梓は、慌てて、否定しようとする。
梓「違っ!」
土方「ん・・・?」
俺は、今、起きたフリをした。
梓「土方さんっ!おはようございます。は、離して貰えますか?」
土方「おはよう・・・。あ?・・・あぁ。」
総司は、俺が、起きてたって気付いてるだろう。まぁ、わざとだが・・・。
沖田「土方さん、やっぱりそうだったんだ・・・。だったら、僕に、梓を預けないで、自分で面倒を見たら良いじゃないですか?」
土方「あ?意味が、わかんねぇ・・・。」
沖田「梓の世話役、外して下さい。良いですよね?」
土方「何、言ってんだよ。俺は、ダメなんだよ。」
そう・・・。梓は、“沖田先輩”から、離れねぇんだから・・・。
沖田「二人は、そういう仲なんでしょ?だったら・・・。」
梓「違いますっっ!!!」
梓が、今まで、聞いたこと無いほどの大きな声で怒鳴った。
梓「私と土方さんは、そんな関係じゃありませんっ!それに・・・。沖田先輩だって・・・っ。」
そんなに強く、否定しなくてもいいじゃねぇか。
そんなに、総司に誤解されたくねぇのか?
梓は、飛び出して行ってしまった。
沖田「土方さん・・・。寝たふりですよね?さっきの・・・。」
土方「だったらなんだよ・・・。」
沖田「・・・。止めて下さい!そういうの!」
土方「あぁ?」
沖田「僕に、世話役を押し付けたのは、あなたですよ!それなのに・・・。」
土方「だったら、何で、梓を昨日、一人にした?何故、島原に、連れて行ってやらなかった?芸妓とまぐわってたんだろ?」
沖田「っ!」
総司の顔が、赤くなる。
土方「俺だって、側に・・・。でも、ダメなんだよ!アイツは、“沖田先輩”じゃないと・・・。」
沖田「だったら、こういう事をしないで下さい!」
これって、明らか嫉妬じゃねぇか・・・。
土方「お前、梓に惚れてるのか?」
沖田「っ!ほ、惚れてなんか・・・っ。」
総司が、狼狽える。
やっぱりそうか・・・。
でも、俺だって、つい、この間、自分の気持ちに、気付いたばかりだ。
沖田「ひ、土方さんだって、梓に惚れてますよね?」
土方「俺は・・・。」
自分の気持ちをぶちまけようとした時・・・。