土方歳三と運命の人~沖田総司と運命の駄犬 番外編~
まず、風呂だな・・・。
でも、こんなに返り血を浴びていたら、普通の銭湯には行けねぇな・・・。
そうだ。
あそこなら、融通を利かせてくれるだろう。
土方「女将、悪ぃ。風呂貸してくれ。」
女将「まぁ!土方先生!かしこまりました!こちらへ。」
女将は、俺らの事情をよく知っていた。
すぐに、湯殿の用意をしてくれた。
梓を風呂場へ案内した後、女将が、戻ってきた。
土方「女将、すまねぇな。」
女将「いえ。土方先生のお頼みですから。お召し物ですが、おなごの・・・。」
土方「いや、男物で頼む。」
女将は、一礼をすると、奥に下がっていった。
少しして、芸妓が俺に気付き、近付いてきた。
芸妓「土方先生っ!」
その声に、他の芸妓も、寄ってきて、囲まれた。
うぜぇな。
芸妓「土方先生!どうして、最近、来てくれないのですか?寂しいですぅ。」
土方「まぁ、そのうちな。」
芸妓「きゃぁ!土方先生!ご無沙汰ですぅ。」
芸妓が、俺に、しなだれかかる。
前は、こうされて、気分良かったのに、何か、物足りない。
土方「久しぶりだな。元気にしてたか?」
芸妓「はい。土方先生?今度は、いつおいでですか?」
土方「最近、忙しいからなぁ。なかなか、来れねぇ。すまんな。」
適当にあしらっていると・・・。
梓が、こちらを見て、立っていた。
土方「お、綺麗になったか?」
梓「はい。」
土方「んじゃ、行くか・・・。」
梓「はい。」
角屋を出て、屯所へ戻った。