土方歳三と運命の人~沖田総司と運命の駄犬 番外編~
屯所に戻り部屋に向かう。
土方「あぁー。酒、呑みてぇ・・・。」
廊下を歩いていると、総司の部屋の前で、梓が、突っ立っていた。
土方「おい、そんな所に、突っ立って、どうした?」
声をかけると、驚いて俺を見てる。
梓「お帰りなさい。沖田先輩が、居なくて・・・。」
土方「皆なら、島原だ。今宵は、俺は、留守番だ。」
梓は、いじけているようだった。
俺は、膨れてる梓の頬をツンとつついた。
土方「暇なら来い。酒の相手してくれ。」
梓「お酒の相手なんて、出来ません。」
土方「お前が好きそうな、菓子を貰ったからどうだ?」
一瞬、嬉しそうにするものの、梓は、俯いてしまった。
梓「沖田先輩に、夜に、男の人の部屋に行くと、怒られるので、やめておきます。」
それって、まるで、総司の女みたいな言い方じゃねぇか。
土方「総司と、恋仲になったのか?」
梓「違います!なってません!でも、沖田先輩の言うこともわかるので・・・。」
まぁ、半分は、独占欲だろうが、半分は、本当の警戒か・・・。
土方「まぁな・・・。お前は、だいぶ警戒しないと、すぐ、襲われるからなぁ・・・。じゃあ、縁側にでも行くか?」
場所が、違えば、付いて来るだろう。
梓「じゃあ、行きます!」
やっぱりな・・・。
今度は、総司に、場所が違っても、付いて行かないように、注意させとくか・・・。
縁側に着くと、慣れない手付きで、梓は、お酌をしてくれた。
さっきから、梓の視線が気になった。
チラチラ俺を見て、頬を、染めている。
それが、誘ってるって気付いてないのか。コイツは・・・。
梓「そう言えば、禁門の何とかは、大丈夫だったんですか?」
土方「禁門の何とかって、おめぇ、そりゃ、酷すぎだろ?あぁ、大丈夫だった。俺らの警備は、激戦になったところと違う所だったしな。」
梓「皆が、無事で、良かったです!」
土方「あぁ。お前は、変わったことは無かったのか?」
そう聞くと、梓は、何かを思い出して、真っ赤になった。
何か、あったのか・・・。
また、胸が、モヤモヤする。
土方「ん?顔、赤いぞ?大丈夫か?」
梓「っ!」
俺は、梓の額に手を置いた。
見つめ合うと、梓は、真っ赤になっている。
その顔、たまんねぇ・・・。
土方「なぁ、梓・・・。お前って、なぜ、俺に、こうやって、簡単に、触らせるんだ?」
梓「へ?」
土方「期待してしまうけど、良いのか?」
梓「え?どういう意味・・・っ。」
俺は、梓に口付けた。
梓「っ!!!」
梓をオトす。
土方「こういう事だが?」
妖艶に微笑み、再度、唇を重ねようとすると・・・。
梓「っ!」
土方「なぁ、梓・・・って、オイ!お前、またっ!」
梓は、また、鼻血を出した。
土方「ぷっ。くくくっ。口説いて、鼻血出されたのは、初めてだ。くくくっ。」
梓は、また、鼻に、紙を詰めて、抗議してきた。
梓「土方さんが、色っぽいのがいけないんです!イケメンにキスとか・・・っ。興奮しちゃいます!」
土方「本当に、わらしだな。」
俺は、梓の頭を撫でた。
鼻血出すくらいは、梓が、俺を、意識してるということが嬉しかった。
すると、梓は、厳しい顔をしだした。
ん?今度は、何を企んでる?
まぁ、大したことはないんだろうが・・・。
すると、梓は、未来の話をしだした。