土方歳三と運命の人～沖田総司と運命の駄犬 番外編～

少し涼しくなった頃、近藤さんと藤堂さん達、数名が、江戸の将軍に会いに行った。



俺と梓、そしておまけの総司が、総司の部屋でくつろぐ。



たまたま、総司に、用事があり、そのまま、梓と、話していた。



梓「あーあ。江戸、行きたかったな・・・。」




沖田「梓は江戸を知ってるの？」




梓「江戸は、知ってます！時代劇とかでも、テレビで、してたし、江戸は、華やかだって、聞いた事が、あります。」




土方「まぁ、今回は、どこも観光なんて、行けねぇから、大人しく、ここにいとけ。」





俺が、梓の頭を撫でると、その手を総司が、払いのけた。





沖田「気安く触らないで下さい！」




土方「おめぇのじゃねぇだろうが。」




沖田「世話役です！土方さんが、触るのは、見てて、気分の良いものでは、ありません！」





土方「いっちょ前に、嫉妬かよ。」




俺と総司は、睨み合う。




沖田「うるさいですね。土方さんは、忙しいんですから、早く、部屋に戻ってください！」




土方「お前こそ、うるせぇよ。俺は、菓子を貰ったから、梓にやろうと・・・。」





沖田「僕が、貰います！」




そう言うと、総司は、俺から菓子を奪い取り、口に放り込んだ。




土方「てめぇ。俺が、せっかく・・・。」




梓「せっかく？」




土方「い、いや・・・。何でもない。」




梓の為に買ったなんて、恥ずかしくて、言えるわけない。





沖田「貰い物にしては、とても、おいしかったです。こんなのくれる人って、どんな人なんでしょうね？」




土方「チッ。」




コイツ・・・。俺が、買った事、気付いてやがる・・・。




わかってて、わざと、食いやがった・・・。





梓「私も食べたかったな・・・。」





少し寂しそうに梓が呟く。





土方「それなら、今度・・・。」




沖田「今から、一緒に、買いに行くよ。」




梓「え？良いんですか！？」




沖田「うん。この店なら、知ってるし、これから、行こう。」






梓「はい！土方さん！行ってきます！」





土方「・・・あぁ。気を付けてな。」





くそっ。やられた・・・。




俺は、苦い思いで、二人を見送った。