土方歳三と運命の人～沖田総司と運命の駄犬 番外編～

伊東の歓迎会をする事になり角屋へ行く。



梓が、居ねぇ。




俺は、総司に聞く。




土方「おい。総司・・・。梓は？まさか、まだ、喧嘩してるのか？」




沖田「・・・まぁ・・・。」




何やってんだよ・・・。




すると、伊東が、部屋に戻って来て、いきなり大きな声を上げた。




伊東「皆さん！見て下さい！今宵、うちの姫が、着飾ってくれましたよ！」




土方「っ！」




そちらを見ると、梓は、芸妓の格好をしている。





何やってんだよ。




伊東の為におなごの格好・・・。




ここには、平隊士も来てるんだぞ！





梓「う゛。」




近藤「ん？梓か？おぉ！綺麗になって！こっちに来てよく見せてくれ！」




梓は、近藤先生にお酌を始めた。





近藤「梓も召し物、一つでこんなに変わるのか！そういえば、総司と外に出ているときは、よくおなごの格好をしていたな！」




総司は、かなり、イラついて、イヤミを言っている。





イヤイヤ。イラついてないで、仲直りしろよ・・・。




沖田「衆道に間違われて町で噂されるのが嫌だっただけです。」





近藤「そうか？町の者に、総司が、嫁を娶ったのかと聞かれたぞ。」




沖田「なんで、僕が・・・。迷惑です。」




梓「っ！」





そう総司が、言った瞬間、梓は傷付いた顔をした。




なんで、総司の言葉に、そんな傷付いてるんだよ・・・。





クソッ。





梓が、俺の所に、酌をしに来た。





梓「どうぞ。」




土方「あぁ。」




俺は、総司に来いと、目配せした。




総司は、はぁ・・・と溜め息を付いてこちらに来た。





なんで、お前が溜め息ついてたんだよ。





好いてるおなごと、恋敵の仲直りの手助けしてる俺の身にもなれ。





こっちが溜め息つきたいくらいだ。



土方「お前・・・。俺の言ってたことわからなかったのか？そんな格好して・・・。」





梓「だって、伊東さんが・・・。」





しかし、総司は、またイヤミを言う。





沖田「梓は、あっち側になったんだね・・・。」





梓「あっちって何ですか？」





沖田「知らない？伊東派と土方派だよ。」





何だよ。伊東派とか土方派って・・・。




俺も初めて聞いた・・・。




梓「そんなのなってません！」





沖田「僕は、僕以外の前でおなごの格好も許さなかったよね？それなのにこんな・・・。」




一応言ってたのか・・・って、“僕以外”って何だよ。




梓「私も町娘の格好かと思ってたので・・・。」





沖田「そもそも、おなごの格好してるんじゃないか。僕は、するなって言ってたよね？もう、僕の言うこと聞けないみたいだし、伊東さんに可愛がってもらえば？って、もう、可愛がってもらってるか？」





梓「なんでそんな事、言うんですか？」





目をウルウルさせて、声を震わせて、今にも、泣きそうになるのを、グッと堪えている。




もう、黙ってても埒が開かねえ。




土方「お前ら。いい加減にしろ！総司！そんなに怒ってたら、話も出来ねぇ。梓、お前は、総司が心配しているから、怒ってるのがわからねぇのか？そんな格好をして、男だらけの所にいたら危ねぇ目に遭う可能性が・・・。」



沖田「何だか、親みたいですね？土方さん。」





土方「はぁ？親って何だよ！俺はだなぁ！」





沖田「あーハイハイ。クドいです！」





土方「お前っ！クドいって何だよ！」




すると、梓が、口を開いた。




梓「土方さん、沖田先輩。すみませんでした。心配させて、ごめんなさい。」




その後、しばらく、３人で飲んでいたが、（梓は、酒が飲めないから、食べてばっかだった。）総司が、別の奴に呼ばれて、二人で飲むこととなった。





梓「土方さん、ありがとうございます。」




土方「は？何が？」




梓「沖田先輩と仲直りのキッカケ作ってくれてです。」




土方「俺は、何もしてねぇよ。」




しばらく、二人で飲んでいたが、梓が、他の奴に呼ばれて、楽しそうにしていた。




俺は、部屋を出て、夜風に当たりに行った。