土方歳三と運命の人~沖田総司と運命の駄犬 番外編~
屯へ戻り、小姓の前川に湯の入った桶を用意させた。
土方「ほら、これで、気持ち悪いところを拭け。」
梓「はい・・・。」
梓が、濡らした手拭いを取ると、俺は、立ち上がった。
土方「外にでておく。」
梓「はい・・・。」
俺は、外に出て、スルスルと座り込んだ。
いくら、好いてるおなごが、他の男と、いちゃついてる所を見たからって、刀を抜くとは・・・。
もしかして、梓と伊東は本当は・・・。
伊東の言うことが、本当だったら・・・?
もし、伊東の言葉が、本当なら、俺は邪魔をしたのではないのか?
でも、梓は、震えているように見えたし、泣いていた。
俺は、意を決して、聞いてみる事にした。
梓が、体を拭き終わり、部屋から、顔を出した。
梓「あの・・・。終わりました。」
土方「あぁ。」
俺は、部屋に入り、梓に向かい合う。
土方「梓・・・。俺は、邪魔をしたか?」
梓は、ジッと俺を見つめた。
そして、梓は首を横に振った。
梓「助けていただいてありがとうございました。助かりました。怖かっ・・・っ。」
思い出したのか、梓は、泣き始めた。
俺は、梓を、抱きしめて、背中をさすった。
梓は、俺の背中に腕を回して、いつの間にか寝息を立てていた。
俺は、梓を、布団に寝かせた。
土方「安心しきった顔しやがって・・・。俺ぁ、仏には、なれねぇ・・・。」
一応の断りを入れて、俺は、梓の唇に、自分の唇を重ねた。
土方「お前の事となると、俺は、見境が無くなる。」
俺は、梓の頬にかかった髪の毛を指で梳いて、頬に口付けた。