大切なあなたと記憶。
「………ん」

私が目を開けた時に最初に見たのは白。

どこかの天井の白。

そして次に見たのは。

「よかった! 目、覚めたんだな!!!」

誰。

誰?

「すみません、私はあなたが分かりません。
私の事も分かりません。」

何も、分からない。

でも、私はなぜか冷静だった。

「は? …嘘だろ??
俺はーー、わかんだろ!?!?」

「ーー…」

彼の名前を口にしても私には何も分からなかった。

「すみません。」

「嘘だろ…って俺が、俺が悪いんだよな。
ごめんな、ごめんな…。」

謝られても私にはなんでこの人が謝っているか分からない。




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