イジワル王子を拾いました。
彼は王子さまらしいです。
「あはは!」
お昼休み中の教室に友達の美琴ちゃんの笑い声が響く。
「しーっ!笑い声大きいよ…!」
教室でお弁当を食べてる人からの視線を感じてしまっている。
「だって面白すぎるでしょ!学校来ないと思ったら謎のイケメン看病してるって」
「もう、ほんとに他人事だと思って…」
美琴ちゃんはもう笑いすぎて涙目なってる。
「…あ、そういえばこの学校なんだって」
「その謎のイケメン?」
「うん。でも一つ上だから知らないと思うよ」
私のこの言葉は美琴ちゃんに聞こえたのかわからない。
なぜなら、外からの女の子たちの「きゃーっ」という歓声にかき消されてしまったからだ。