イジワル王子を拾いました。
遠目だけど、間違えない。
「ねね、なんで王子先輩って、王子先輩って言うの?」
「あれ、柚も興味持っちゃった?」
「ち、違うよ!」
「ふ〜ん…?…えーっと、そりゃ王子さまみたいって言うのもあるけど、彼の名前が、“すおう じゆう”って言うの。」
「すおう じゆう……」
私はゆっくりと口に出す。
「そ。す“おう じ”ゆう。名前の中に王子があるでしょ?もうぴったりな名前だよね」
……慈侑くんだ。
かっこいいなとは思ってたけど、こんなに有名な人だったとは…。
っていうか、昨日あんなに寝込んでたのによくバスケなんてできるなぁ。
またぶり返してしまいそうで少し心配になった。