イジワル王子を拾いました。


私の知っている慈侑くんからは想像もできない。

ここ2日間の慈侑くんは、よく笑って、たくさん話を聞いてくれて、たくさん話してくれる。そしてなによりすごく優しい。



「そうだよ。女嫌いで有名だったから彼女とか絶対作らないと思ってたのになー」



彼女彼女って…。
彼女じゃないよ!って大声で否定したい。
ただのお礼でご飯に行っただけなのに。
恐るべし慈侑くん…。


「か、彼女じゃない…んじゃない?」

私は弱気になりながらも、否定の言葉を美琴ちゃんにぶつけると、

「もー柚。現実逃避したい気持ちはわかるけど。」


などと、変な勘違いをされてしまった。






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