貴公子?いいえ、俺様男です
新しく入荷したアンティーク調の重厚な雰囲気の花器。

都ちゃんが好みそうだと見ていたら、店を訪れた彼女は、案の定それを手に取った。

そこへシックな秋色アジサイや紫のバンダ(洋蘭)、ケイトウを合わせていく。

「この花器ね、入荷した時から、都ちゃんが好きそうだなって思ってたんだ。

素敵なアレンジが出来そうだ。
完成が楽しみだよ。

今度、写メとか見せてよ」


『いつもブログ見てるよ』とでも言えばいいものを、ヘタレな俺は言い出せずにいる。


「そ、そんな写メだなんて…それに

プロのシュウさんにお見せするの恥ずかしい」

恥ずかしそうに、うつむく彼女の耳が赤い。

(やべ…かわいい。うなじにキスしたい
、、、って、俺は変態か⁉︎)


「いつも、ありがとう。
少し重いけど大丈夫?」


『荷物、重いよね。ちょうど駅まで用があるから、ついでに乗ってってよ』


言えよ!俺‼︎


「お気遣いありがとうございます。
こう見えても、よく仕事で重いものを運んでて、慣れてるんですよ?」

任せてください…と笑顔で店を後にする彼女。

はあぁぁ……

………




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