貴公子?いいえ、俺様男です
3.
どん底までのカウントダウン
都ちゃんと俺の関係に、何の進展もなく月日は流れ、季節が一周した。
11月初め
「さて…と、ディスプレイ変えよっか」
そろそろカボチャから、クリスマスバージョンへ模様替えだ。
これまで店頭を飾っていたハロウィンの小物たちを片付ける。
「捨てちゃうの…もったいないな。
すっごくかわいいのに」
ストライプにくり抜いたカボチャを手に里菜ちゃんが言う。
"カボチャの馬車"に見立てて、くり抜いたそれは、空洞になった内側にキャンドルライトをセットし、外側はオレンジ系の花たちを飾った。
「たしかに。
もったいないけど、1ヶ月も飾った物を食べるわけにいかないし」
ポン!
里菜ちゃんが手を叩く。
何か思いついたらしい。
「かめっぴの新しいおうちにしましょうよ。今の寝ぐら、狭そうだもん」
かめっぴは、うちで飼ってる陸ガメで、子ガメだった彼女?も、10年経った今では随分と大きく成長した。
里菜ちゃんの言うとおり、寝ぐらが狭そうだ。
頭から突っ込むと、中で方向転換が出来ず、バックで出てくるようになった。亀がバックするなんて、初めて見た。
11月初め
「さて…と、ディスプレイ変えよっか」
そろそろカボチャから、クリスマスバージョンへ模様替えだ。
これまで店頭を飾っていたハロウィンの小物たちを片付ける。
「捨てちゃうの…もったいないな。
すっごくかわいいのに」
ストライプにくり抜いたカボチャを手に里菜ちゃんが言う。
"カボチャの馬車"に見立てて、くり抜いたそれは、空洞になった内側にキャンドルライトをセットし、外側はオレンジ系の花たちを飾った。
「たしかに。
もったいないけど、1ヶ月も飾った物を食べるわけにいかないし」
ポン!
里菜ちゃんが手を叩く。
何か思いついたらしい。
「かめっぴの新しいおうちにしましょうよ。今の寝ぐら、狭そうだもん」
かめっぴは、うちで飼ってる陸ガメで、子ガメだった彼女?も、10年経った今では随分と大きく成長した。
里菜ちゃんの言うとおり、寝ぐらが狭そうだ。
頭から突っ込むと、中で方向転換が出来ず、バックで出てくるようになった。亀がバックするなんて、初めて見た。