貴公子?いいえ、俺様男です
ここが会社だということも忘れて、涙を流す彼女を思わず抱き寄せた。

『俺んとこ、こいよ…』

口に出すつもりのなかった言葉を発していた。



・・・・・



倒れている彼女を見た時の衝撃は忘れられない。

顔色が青白く、血が流れているのが見えたから、彼女が死んでしまったかと思った。

その場に泣き崩れそうになったが、彼女の口から僅かに漏れる白い息に気付き、少しホッとしたんだ。

それでも、彼女が目覚めるまでの時間はとてつもなく長く、このまま目が覚めないんじゃないかと病室で、一人震えていた。
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